
上方舞とは京阪神で生まれた舞を総称し各流派独自の発展形態を遂げ、関東で生まれた「踊り」とは性格を異にしています。
山村流は、中でも最も古い流儀であり、三世中村歌右衛門に歌舞伎の振付師としての才能を認められた山村友五郎を流祖として、
江戸時代(文化3年)大阪で創流されました。このため、歌舞伎や文楽にも多くの振りが残っております。
大阪という土地柄、当時の交流の場であった酒宴席の座敷には舞が欠かせぬものであり、埃をたてぬ様、一畳の空間でも舞えるようにと
配慮がされてきたことが舞台芸術のまま育った「踊り」と違う点と言えます。主に座敷で舞われてきたものを「座敷舞」と呼び、土地ごとに歌われた当時の流行り唄「地唄」に振りをつけられたことで「地唄舞」とも呼ばれています。「能」より作られた「本行物」は中でも「許し物(奥許し)」として重い格付けで扱われるほか、動物などをおもしろおかしく唄い込んだ「滑稽物(おどけもの・作物)」やそれぞれの土地の風土や季節ごとの風情・風俗を写したものなど、様々なものが伝えられています。山村流の舞は、能から出た行儀の良い舞として商家の子女の行儀見習いの心得とされ、谷崎潤一郎の「細雪」でも主人公妙子が地唄の「雪」を舞う姿が描かれています。
私は平成4年亡き母・糸に五世宗家を追贈し、六世宗家山村若を襲名し、平成26年7月に、22年間、名乗った若の名を長男・侑に譲り、三日間に亘る襲名披露公演を開催させていただきました。
街並みも急速に近代化してゆく大阪の街でいかに大阪の匂いをその舞の中に残し次の世代に伝えることができるかが私に与えられた使命と考えております。何卒これを機に上方舞に深いご理解を賜り、今後共ご後援賜りますようお願い申し上げます。


11月21日(土)東京・国立劇場にて舞の会-京都の座敷舞-に出演いたします 【開催日時】 11月20日(土) 第一部:正午開演 第二部:14時30分開演 第三部:16時30時開演 【会場】 国立劇場 小劇場 【出演】
令和3年8月1日(日)14:00〜 豊中不動尊 トーク:山本博通 山村友五郎 桂吉坊 そして、それぞれの特徴的な演目 仕舞「枕之段」山本博通 上方唄「葵上」 山村友五郎 落語「莨道成寺」桂吉坊 仕舞「鵺」山本博通 上方舞「新
11月21日(土)東京・国立劇場にて舞の会-京都の座敷舞-に出演いたします 【開催日時】 11月21日(土) 第一部:正午開演 第二部:14時30分開演 第三部:17時開演 【会場】 国立劇場 小劇場 【出演】 第一
◇東西名流舞踊鑑賞会 【開催日時】 10月10日(土) 1部 13時00分開演 【会場】 国立文楽劇場 【出演】 友五郎 【料金】 (全席均一) 6,500円 /学生4,600円 【主催】 文化庁芸術祭 ■お問い合わせ
少し涼しくなって参りましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。 先日の第二回友五郎の会、皆様のお力添えを賜りましたお蔭で、 無事盛会裏に終えることが出来ました。 心より厚く御礼申し上げます。 さて、この第二回友五郎の会の動画
コロナとの共存の生活様式となりましたが、不安と不自由な毎日が続いております。 皆々様には心よりお見舞い申し上げます。 5月恒例の山村流宗家主催「舞扇会」も来年の5月に順延させていただきました。 第二波の入り口とも云われて
この度山村流の公式チャンネルを開設させていただきました。 このようなご時世ですので、現在舞台芸術に触れることのできる機会はほとんど無くなってしまいましたが、またいつの日か、以前のような公演が出来る世の中になることを信じ、
皆様ご無沙汰しております。 新型コロナウイルスの影響でままならない日々が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。 毎年5月に開催させていただいておりました山村流舞扇会につきましては一旦延期とさせていただきます。 再


山村流六世宗家 山村友五郎 / 大阪の山村流宗家に長男として生まれる。祖母の山村流四世宗家・山村若、母・山村糸のもと、幼少より修業する。平成4年、早逝した糸に五世宗家を追贈し、六世宗家 山村若を襲名。流祖・友五郎よりの歌舞伎舞踊と、京阪神で発展した座敷舞(地唄舞)という二つの流れを大切に、伝統の維持継承に力を注ぐ。
平成18年、創流二百年祭を開催。同26年、長男・侑に若の名を譲り、山村友五郎(三代目)を襲名する。一門の舞踊会「舞扇会」を主催するほか、『五耀會』を結成し、日本舞踊の普及に努める。文楽、上方歌舞伎、宝塚歌劇、OSK等の振付、舞踊指導、門下育成に従事する。また、流儀に伝わる振りや文献から流祖所縁の演目の復曲にも意欲的に取り組んでいる。
文化庁芸術祭優秀賞、同新人賞、芸術選奨文部科学大臣賞、同新人賞、また、「三代目山村友五郎・四代目山村若 襲名披露舞扇会」の成果として平成26年昨年日本芸術院賞を受賞。


山村光 / 山村流宗家の長女として大阪に生まれる。3歳にて、祖母・四世宗家に手ほどきを受け、
地唄「石橋」にて、初舞台を踏む。早世した母・糸の意志を継ぎ、兄・六世宗家山村友五郎と共に、
山村流の伝統を次代に伝えるため力を尽くしている。
昭和60年 兄と「双葉会」を開催。昭和62年 咲くやこの花賞。平成5年より「山村 光リサイタル」を主催する。
同3年 / 7年 大阪文化祭奨励賞。同11年 大阪文化賞を受賞。同22年舞踊批評家協会新人賞を受賞。
平成27年、『三都で舞う、三都を舞う』と題し、東京、京都、大阪の三都市にて「山村光リサイタル」を開催し、その成果として芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞する。
宝塚音楽学校日本舞舞踊講師。

自宅稽古場
御影稽古場
神崎川稽古場
豊中稽古場
大和郡山筒井町教室
関東稽古場
近鉄文化サロン 上本町教室
自宅稽古場
自宅稽古場


お蔭様で、平成26年9月26日から28日にかけての山村友五郎襲名披露舞扇会が無事に開催されました。
連日、たくさんのお客様にお運び頂き、本当に温かいご声援を賜りましたこと、心より篤く御礼申し上げます。
諸先輩方、舞踊家の方々、演奏家の方々、舞台を支えて下さった方々、流儀一門、
皆々様に伝えきれない程の感謝の念にあふれており、この数日間、余韻を嚙み締めながら過ごしております。
今後もなお一層研鑽すべく、身の引き締まる思いですが、何卒これからも益々のご厚誼の程、宜しくお願い申し上げます。

鴛鴦の雄鳥にもの思い羽の 凍る衾に鳴く音もさぞな さなきだに心も遠き夜半の鐘
聞くも淋しき独り寝の 枕に響く霰の音も もしやといっそせきかねて
落つる涙の氷柱より 辛き生命は惜しからねども 恋しき人は罪深く
思はぬことの悲しさに 捨てた憂き 捨てた浮世の山かずら
地歌の中で最も有名な曲として知られ、 心も遠き夜半の鐘・・・に続く部分は、しんしんと降る雪を見事に表現した「雪の合方」として、邦楽の様々な曲に使われています。大阪南地の芸妓・ソセキが出家した後に、かつての恋を想い、来ぬ人を待ち焦がれて過ごした雪の夜を回想し、世を捨てた後もかすかな煩悩を捨てることが出来ぬ心情を切なく詠っています。山村流では黒紋付に「きゅうへい」という髷を結って舞うのが大方のきまりとなっています。谷崎潤一郎の『細雪』の中で、主人公妙子が、山村流の『ゆき』を舞う姿が描かれていることでも有名です。
「ゆき」という曲は、舞う年代や舞い手によってそれぞれの解釈が有ってしかるべきとされています。まず、決まった「間」の中で完成された「振り」と「型」が存在し、そこへ作品の解釈が加わり心情を表現するということにおいて、地唄舞の代表演目とされ、また、山村流の魂が込められていると云われる所以でしょう。
(写真)山村流四世宗家 山村若

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